PCB廃棄物が発見された事例集
目次
PCB廃棄物が発見された事例
PCB(Poly Chlorinated Biphenyl=ポリ塩化ビフェニル)は、人工的に作られた化合物の一種です。
かつては、熱に対する安定性からも多くの用途で利用されてきましたが、1970年代以降においては人体への有毒性や地球環境、生態系への影響が指摘されるようになり、現在では製造や使用は禁止されています。
しかしながら、現在においても処理が必要なPCB廃棄物が、日本国内の至るところから発見されています。
各自治体の担当部署では、残置されたPCB廃棄物について、日頃から立入調査を進めています。
本記事では、実際にPCB廃棄物が発見された事例についてご紹介していきます。
病院にて発見された事例
廃業予定の接骨院にて発見された事例をご紹介します。高濃度PCB含有のコンデンサーが内蔵されたレントゲン電源装置が見つかり、分析した結果、レントゲン電源装置内の油が低濃度PCB廃棄物であることが発覚しました。
また、別の閉院予定の動物病院にて、エックス線機器に付属されている変圧器が高濃度PCB含有であることが発覚した事例もあります。
このようなことから、閉院している(もしくは廃業予定の)病院や動物病院、接骨院などにも注意が必要であることが周知されています。
キュービクル内での発見事例
自治体の担当者がビルの屋上に立ち入り検査を行ったところ、キュービクルが残置されており、中を確認したところ低濃度PCB汚染変圧器が保管されていた事例があります。
キュービクルとは、キュービクル式高圧受変電設備のことで、発電所から送られてくる電気を降圧するための受電設備を収めた金属製の箱を指します。
多くの商業施設や店舗、工場、オフィスビルなどに設置されているキュービクルですが、今回は残置されたキュービクルの中からPCB廃棄物が発見された事例となりました。
見つけにくい場所で発見での発見事例
見つけにくい場所で発見された事例もご紹介します。過去に、訪問調査においてPCB含有機器「なし」と回答があった工場において、後日PCB廃棄物が発見された事例です。
従業員が工場内を管理している最中に、昼でも薄暗い場所に置かれたステンレス製の箱内にて、高濃度PCB含有コンデンサーが発見されました。
今回のような見つけにくい場所で発見される事例も多いため、保管事業者・電気主任技術者が隅々まで確認することが重要であるとされています。
建物解体にて発見された事例
解体中の建物において発見された事例のご紹介です。倉庫を解体していた建設業者が、高濃度PCB含有コンデンサーを発見しました。建設業者が自治体へ問い合わせたことにより発覚した事例です。
また、他の解体工事現場においても、自治体職員が現場パトロールをしている際に、ビニール袋に入った安定器を発見した事例があります。解体工事にあたっては、自治体職員が必ず現場パトロールを実施しているため、発見されました。
以上のように、解体を行う予定の建物内においてPCB廃棄物が発見される場合もあるため注意が必要です。
溶接機内蔵コンデンサーの発見事例
機器に内蔵されたコンデンサーが発見された事例についてもお伝えします。スポット溶接機を修理のために分解したところ、コンデンサーが内蔵されており、メーカーに確認したところ低濃度PCBに汚染されている機器の可能性があるとの回答が得られた事例です。
他にも、「溶接機にPCBが含有されていた」という事例を知った別の事業者が、社内調査を実施したところ、古い溶接機に低濃度PCB汚染のコンデンサーが内蔵されていることが発覚した事例もあります。
古い溶接機を所持している場合は、メーカーへの確認作業が必須であると言えます。
【まとめ】PCB処理のことならYAMANI PCBへ
PCB措置法により、「低濃度PCB廃棄物」は2027年3月31日までの処分期限が設けられています。期限まで残り3年を切っていることもあり、各自治体の担当者は、日頃から立ち入り検査等を行っています。もしも身の回りにPCB廃棄物である可能性のある製品を発見した場合は、ただちに専門機関への連絡をするようにしましょう。
ただ、「本当にPCB廃棄物なのかどうかが不明」「どのように処理・処分をしたら良いのかわからない」「一体どこに相談をしたら良いのかわからない」と、お困りの方も多いことかと思います。
そのような場合は、ぜひお気軽にYAMANI PCBまでご相談ください。