PCBはなぜゴミとして捨てられない?PCB廃棄物の問題とは
PCBはポリ塩化ビフェニルの略称であり、ポリ塩化ビフェニル化合物の総称です。
化学的に安定していることから一時期盛んに電気機器を中心に使用されましたが強い毒性が明らかになり、現在では製造や輸入が禁止され、処分が進められています。
またPCBは高圧トランスやコンデンサーといった電気工作物以外にPCBが含まれている場合、通常のゴミと同じように廃棄することはできません。
なぜほかのゴミと同じように捨てられないのか、詳しく解説します。
目次
PCBが使用されていると一般廃棄物や産業廃棄物として捨てられない
PCB含有の電気工作物などの使用を終了すると、PCB廃棄物とみなされるようになります。
PCB廃棄物の保管や処分についてはPCB特措法、廃棄物については廃棄物処理法によって定められており、PCB廃棄物は処分方法はもちろん処分するまでの期間も適切に保存する必要があります。
廃棄物処理法においては廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物の2種類に大別しており、PCB廃棄物はどちらにも該当しますが、一般的なゴミとしては捨てられません。
PCBを含んでいると「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるもの」とされ、特別管理一般廃棄物や特別管理産業廃棄物に分類されます。
PCB廃棄物の処理責任は保有者にあり、法律に違反すると罰則を受ける可能性もあるため保管や処分には十分注意しましょう。
PCBとダイオキシンの関係
PCBを一般的な廃棄物と同様に焼却処分すると、環境中にダイオキシン類が発生します。
ダイオキシン類は基本的に炭素で構成されているベンゼン環が2つあり、酸素で結合して塩素や水素が付いた構造です。
塩素の数やベンゼン環に付く位置でも形が変わり、さまざまな種類があります。
PCBもコプラナーPCBと呼ばれる2つのベンゼン環が同一平面上の扁平構造をとる場合があり、構造的にダイオキシンと酷似して強い毒性を示します。
また世界保健機関(WHO)や米国環境保護庁(EPA)では、以前からコプラナーPCBはダイオキシン類と位置づけていましたが、日本でも1999年に施行されたダイオキシン類対策特別措置法においてコプラナーPCBをダイオキシン類と定義しました。
ダイオキシンは生殖や発育に悪影響を及ぼすほか、免疫系を損傷させてがんの発生リスクを高めます。
日本では2001年、PCB特措法が成立し国が中心となって適切なPCB処理が進められています。
PCB廃棄物には処理期限もある
PCB特措法により、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物にはそれぞれ処理期限が設けられています。
高濃度PCB廃棄物は全国の中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処分がおこなわれていましたが、 2023年3月31日ですべて終了しています。
万が一高濃度PCB廃棄物を発見した際は、YAMANI PCBへご連絡ください。
一方、低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日です。
調査や運搬、委託手続きなど処分が終了するまで多くの手続きがあるため、早めに専門業者へ委託しましょう。
【まとめ】PCB廃棄物の処理を委託するなら、実績豊富なYAMANI PCBへ!
PCBを適切に処分するためには科学技術が必要であり、通常の焼却処分では猛毒のダイオキシン類が発生するため危険です。
PCBが使用されている可能性もある電気機器や家電製品を見つけたら、まずは調査を依頼しましょう。
ただし高濃度PCB廃棄物は既に全国で処理期限が終了しているため、まずはYAMANI PCBへご相談ください。
低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日ですが、計画的に処分を進めましょう。
YAMANI PCBは全国にネットワークを持ち、PCB廃棄物に関するあらゆる業務に対応しています。
PCBに関する疑問は、お気軽にお問い合わせください。