PCBを含む電気機器の種類と特定方法

PCBは強い毒性を持ち、体内に吸収され蓄積すると吹き出物や色素沈着といった皮膚症状や、倦怠感や食欲不振といった全身症状があらわれます。
世代を超えて苦しんでいる患者もおり、色素沈着による「黒い赤ちゃん」が産まれるなど人体に深刻なダメージを与える化学物質です。
PCBはコンデンサや変圧器などの電気機器や、照明器などの安定器に多く含まれており、現在でも処分が進められています。
本記事では電気機器に着目し、PCBが使用されている電気機器の種類について詳しく解説します。
目次
なぜPCBは電気機器に使用されたのか
PCBは淡黄色から無色の粘性の高い油状の液体です。
ビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称であり、1881年にドイツで初めて合成されました。
日本でも1954年の製造開始から1975年に禁止されるまで、変圧器やコンデンサの絶縁油を中心に幅広い用途で使用されていた歴史があります。
絶縁油は電気機器の絶縁と冷却を目的として使われるオイルです。
日本工業規格(JIS C 2320)で規格化されており、次のような性質が求められます。
- ・高い絶縁性能
- ・粘度が低い
- ・引火点が高い(難燃性)
- ・凝固点が低い
- ・機器を侵食しない
- ・電気的、化学的に安定
PCBは熱に強く、難燃性で高い耐薬品性と絶縁性能を持つため、絶縁油として非常に適していたことから、毒性が明らかになるまで盛んに使用されていました。
高濃度のPCBを含む電気機器(PCB使用電気機器)
絶縁油としてPCBを使用したコンデンサや変圧器といったコンデンサには、約100%、約60%と高濃度のPCBが含まれます。
PCB使用電気機器はそれぞれの銘板で判別が可能です。
まずは、製造者名と対象機器の表示記号などを確認しましょう。
一般社団法人日本電機工業会では、高濃度PCBを使用した電気工作物の一覧を公開しています。
またなかには社名が変わり、当時の製造者名と異なっている銘板もありますので、注意が必要です。
PCBは一時期、非常に幅広く使用されたため、絶縁油の種類がわからない電気機器は直接問い合わせましょう。
高濃度PCBが使用された電気機器はPCB特措法に基づいて適切に処分する必要がありますが、処分期限は2023年3月31日に終了しています。
高濃度PCB廃棄物を発見した際は、放置せずYAMANI PCBにご連絡ください。
PCBに汚染された絶縁油を含む電気機器(微量PCB汚染電気機器)
平成14年頃、本来PCB不使用なはずの電気機器でも、微量のPCBに汚染された絶縁油を含んでいるケースが数多く存在していることが明らかになりました。
これらは低濃度PCB廃棄物に分類され、変圧器やコンデンサ、避雷器、放電コイル、電圧調整器、整流器など幅広い電気機器で確認されています。
コンデンサーは絶縁油を入れ替えできないため、平成3年(1991年)以降に製造されたものはPCB汚染の可能性はほぼないでしょう。
変圧器の場合は1994年以降の出荷かつ、絶縁油のメンテナンスがおこなわれていないものはPCBに汚染されている心配はありません。
ただし微量PCB汚染電気機器を正確に判別するには、絶縁油のPCB濃度調査が必要になります。
【まとめ】PCB廃棄物の処理にお困りならYAMANI PCBへ!

PCBは日本を含む世界各地で、盛んに使用されました。
日本では1975年に製造や輸入は原則禁止になりましたが、現在でも意図的にPCBが使用されたPCB使用電気機器以外に、微量のPCBに汚染された微量PCB汚染電気機器が数多く存在しています。
低濃度PCB使用電気機器は、低濃度PCB廃棄物として2027年3月31日までに処分しなくてはいけません。
低濃度PCB廃棄物を処分するためには、認定を受けた無害化処理事業者に依頼する必要があります。
PCBに関するお悩みは、全国で豊富な実績を持つYAMANI PCBにご相談ください。
さまざまな手続きを一括で請け負い、迅速に対応します。