不動産取引とPCB廃棄物の関係
PCBは毒性が強く、土壌汚染のリスクもあるため、法律によって規制されています。
不動産取引も例外ではなく、PCB含有製品やPCB廃棄物が残る建物を売買する際は保管する事業者が適切な対応をとらなければいけません。
PCB廃棄物は処理が完了しておらず、未だに数多くのPCB使用電気機器が残されているため、古い工場やマンション、店舗などを購入する際は注意しましょう。
本記事では不動産取引に関するPCB廃棄物の取り扱いについて、詳しく解説します。
不動産取引とPCBの関係性
所有地にPCB含有製品、またはPCB廃棄物がある場合、PCB特措法や廃棄物処理法、土壌汚染対策法などの法令によって規制されます。
そのほか条例で法令と異なる基準や規制を定めている自治体もあるでしょう。
PCB廃棄物に対する責任者は購入して引き渡されたあとでも、売主や汚染原因者です。
購入後にPCB廃棄物が見つかった際、民法上の損害賠償請求や汚染原因者に対する請求などを求めて認められた裁判例も存在します。
多額の費用が発生する可能性もあるため注意してください。
PCBについては宅建業法35条に列挙する重要説明事項に含まれてはいませんが、強い毒性を持つことから取引前の調査や特約での明記が重要といえるでしょう。
PCB廃棄物の譲渡は法律で禁止されている
PCB廃棄物はPCB特措法により、第三者への譲渡が原則として禁止されています。
違反した場合は3年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、もしくは両方が科される可能性があるでしょう。
保管事業者が管理する倉庫にPCB廃棄物を移動させ、第三者に保管を委託するのも禁止です。
CB廃棄物が存在する不動産を売買する際は、PCB廃棄物を譲渡対象から外しておきましょう。
また、例外として譲渡できるケースは次の通りです。
- ・地方公共団体への譲渡
- ・PCB廃棄物の処理を委託する
- ・特別管理産業廃棄物処理業者や無害化処理認定業者がPCB廃棄物の収集運搬又は処分を受託する
- ・PCB廃棄物の処理技術の研究や処理施設における試運転のため譲渡する
- ・保管事業者が確実かつ適正にPCB廃棄物を保管できなくなったと都道府県知事が認めた場合
一方で、設備やシステムとして使用中の低濃度PCB含有機器は廃棄物に該当しません。
ただし取り外したPCB含有機器は電気事業法に基づき移設や再使用が不可能になるため、低濃度PCB廃棄物として規制されます。
この場合は取り外した際の物件や機器の所有者が保管および処分責任者になるため、注意しましょう。
不動産取引の前に確認しよう
不動産取引の前には、PCBを使用した変圧器やコンデンサーが存在するか調査してください。
PCB廃棄物の場合はPCB特措法や電気事業法に基づいて適切に処理しましょう。
使用中の設備やシステムにPCBが含まれている場合は、売主が廃止届出をして買主が設置など届出をおこなう必要があります。
使用中の低濃度PCB電気機器においては、トラブル防止のために有無や譲渡の流れなどを契約書に明記することが大切です。
照明器具などPCB含有安定器の場合も適切に処分し新しいものに交換しましょう。
また、保管中のPCB廃棄物は売主側に処分責任があります。
取引後にPCB廃棄物が発見された場合でもスムーズに処分できるよう、特約を付けておくと安心です。
【まとめ】PCB廃棄物の処理にお困りならYAMANI PCBへ!
低濃度PCB廃棄物は高濃度PCB廃棄物よりも存在数が多く、未だに処分が終わっていません。
処理期限は2027年3月31日と定められているため、早めに手続きを進める必要があります。
古い建物を取引する際は、PCBが使用されている電気機器や安定器がないか注意しましょう。
発見した場合は放置せず、売主に処分を依頼してください。
PCB濃度や使用有無の調査を含め、YAMANI PCBはPCB廃棄物に関するさまざまな業務を請け負っています。
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